季節あれこれ
勤労感謝の日とは
「勤労をたつとび、生産を祝い、国民が互いに感謝しあう」という趣旨で、1948年に11月23日【勤労感謝の日】は、国民の祝日として制定されたそうです。
【勤労感謝の日】という言葉からも働いている人に感謝する日。…と思ってしまいますが、実はこの勤労感謝の日は、本来、全く違う趣旨の祭祀でした。その起源は「新嘗祭(にいなめさい)」という五穀豊穣を感謝する儀式とされています。「新」は新穀を「嘗」はご馳走を意味するそうです。
また、五穀の豊穣を祈願した二月十七日の祈年祭と相対する関係にあるお祭りのようです。
勤労感謝の日
元々は、非常に重要な宮中祭祀が行なわれる祭日でした。新嘗祭は飛鳥時代に始められたといわれ、旧暦では11月の2回目の卯の日に行われていたそうです。
昔は国民のほとんどが農家で、収穫した農作物を神様にお供えすると共に、その作物を天皇が食し、日本国民を代表し五穀豊穣(豊作であること)そして命の糧を授けて頂いたことに対する神への感謝を捧げる非常に大切な一日で、収穫祭であったようです。
春にその年の五穀豊穣を祈り、秋にはその実りに感謝するという風習は、現代では考えられないほどに重要な意味を持っていたそうです。
ところが、戦後になるとGHQの指令により、天皇が関わる祭日は祝日として取り扱わないこととなり、新嘗祭は廃止され、勤労感謝の日が設けられたそうです。現在、新嘗祭は宮中のみの祭祀となりました。