こだわり
お墓の価格について
お墓の値段は、一般的に以下のポイントで決められます。
- 石の使った量【幅・奥行・高さ】
- 材質【石の種類】
- どのぐらい加工に手間をかけているか【仕上げるのに時間がかかる】
簡単にご説明いたしますと石の厚みを薄くしたり、石の高さを低くしたり、石の量を減らすことで値段を抑える事ができます。諸外国、特に中国産・インド産の石は、新しい石種(材質)も出てきますが、急に生産中止になる事もあり、交換が必要になった際に同じ石種が取れなくなることもありますので、石種選びにも気を付ける事が必要です。
弊社では加工、施工、保証、アフターフォロー、すべてを完備した金額が販売価格になっています。
「石質」だけで値段が決まるわけではありません
弊社は創業140年以上の歴史をもつ墓石(お墓)の専門店です。お墓を販売するにあたっては、原石の採掘から手がけ、切削、加工、磨き、文字彫刻、仕上げ、販売までを一貫して行なってきました。今後もまた、受注依頼を受け入れるため原石(石を山から切り落とした状態の石)やスラブ材(原石材に少し手を加えた状態の石)の仕入れを行っていきます。
弊社で使用する石材のほとんどが御影石です。石は天然のため生産量が少ないものほど希少価値があり高額になります。石質が悪いから安い、石質が良いから高いとは一概に言えません。御影石は硬度がそれぞれ異なり、硬い石ほど光沢を出すのに手間がかかりますが、艶は長持ちし水を吸収しにくいものが多いです。
軟らかい石は固い石に比べて仕上がりも早く、水を吸いやすいものも多いので、艶(光沢)の続く年数が短く、水が抜けにくいことにより、ヒビ・割れの原因に繋がってしまう事もあり、場合によっては風化してしまうおそれもあります。お墓は何度も建て替えしないのが理想です。そういった事を踏まえ、お客様には、石材の特長と性質などをご説明し、ご家庭のご事情やご予算もあると思いますが、弊社の近隣は寒冷地域であることから、できる限り固い石をお勧めしております。
ご購入後もお手入れの仕方などもお伝えしております。地域や風土にもよりますが、お手入れ次第で石の光沢を長く維持する事が出来ます。
石は「磨きを経験」していないと石の特長や性質は分からない
弊社には40年以上石を加工している従業員もおりますが、40年加工していても新しい石種などは磨いてみないとその石の性質が分からないといいます。新しいものは着色も珍しいものがあり、使いたくなるものですが、風土に適しているのかは分かりません。
昔から使われている石種などは、今まで培ってきた経験で固い・軟い、艶もちの良いもの、悪いものなど大まかな特長を把握しています。また、経年の変化を知りたければ墓地に行けばある程度把握できますが、やはり石は天然の物なので、まれに予想もつかないようなトラブルに繋がることもあります。弊社では、国産問わず、様々な国の石材を長年加工してきており、そういった経験を重ねています。
現在、墓石業界では「中国からの出来合いの加工品」が多くなりました。コストは上がってきておりますが、日本で加工するよりも、安くご提供できるものが多いからです。弊社でも取り扱っており、諸外国加工でご提供する際には、お客様と打合せをし、「良品をいかに適正価格で提供できるか」を考え、取引先の業者と打合せをして、よりいいものをご提供できるようにしております。
しっかりとお客様の意向に近づけるかは、業者としっかりと打合せを行い、意見を言えるかがお客様の理想に近いお墓をご提供することが出来るようになります。
商品を注文し、届いた商品に欠品(キズ・ヒビ・割れなど)異常がないか、弊社の従業員が検品してから、天日に何日かさらして、更に状態を観察します。それに合格してから文字彫刻の作業に取りかかります。まれですが、それすらも潜り抜けて、組立している際に見つける場合もあります。その場合には、お客様にご連絡し、事情を説明して(交換または磨き直しなど)対応いたします。彫刻や磨き加工は弊社で石材業勤務歴約40年の経験をもつ工場長と約20年の研磨の経験を持ち現在、現場長も兼任している熟練者2人で行なっています。
お墓の組み立ては、弊社の従業員が責任をもって施工します。組み立て工事は通常4人で行ないます。弊社では若手が中心となりましたが、ベテランのサポートもしっかりとしています。35年以上のベテランが見守って行っているので、若手ものびのびと作業をすることが出来ます。若手は色々と施工品質の改善に挑戦し、よりいい施工方法へと進化しています。
点検も主に組立を行ったものが行ない、修復箇所があれば、その日または後日、機材を揃えて行います。こういった取り組みを大切にして、充実したサービス(より良い商品・最良の施工品質・ご購入後のアフターフォロー)をお客様にご提供できるように努めていきます。
古いお墓も状況に合わせて磨き上げ新品同様に
お墓のリフォーム工事において、本体である墓石や周りを囲む外柵を磨き直す際、当社では工場に運び、「自動研磨」「手動研磨」「手磨き」の中から最良の機器を選択し、削って磨き上げ、再び設置します。磨き直したお墓は、材質にもよりますが、購入した当初の新品に近い艶が戻ります。
自動研磨器で磨いている様子
手動研磨で磨いている様子
手磨きで磨いている様子
磨く前の石
磨き後の写真1
磨き後の写真2
お墓への思い
ぜひ、ご家族でお考えください。
「なぜ、お墓って建てるんですか?」「なぜ、お墓って必要なんですか?」
みなさんは、どのような思いでお墓を選んでいますか。私はこう思います。今、自分がこうして平穏に暮らしていられるのも、ご先祖様が苦労されてくれたからこそ。
「ご先祖様があって、今の自分がいる」。その感謝の気持ちを伝えるために、故人が好きだった思い出のあるものを形にすべきでは…。
私の場合、6年前に祖父(先代の社長)が亡くなり、一昨年、お墓を建てました。建て替えるにあたり、家族でどんなお墓を建てたいかを話し合いました。その結果、祖父に関わりの深い、思い出のある石と形で建てることに決めました。
墓石は祖父が好きだったスウェーデンの石を使いました。墓石を囲う外柵には、当社がいちばん最初に仕入れた輸入材の原石であり、当社の工場で加工して製品として使い始めたという思い出のあるアフリカの石を使いました。
五輪塔とお地蔵さんは、祖父がとても日本を愛していましたので、国産の稲田石を使うことにしました。このようにして、生前の思い出や感謝の気持ちを込めた、私たち家族にとってかけがえのない、世界でたった一つのお墓を建てることができました。
私は、祖父の月命日前後には、欠かさずお墓の掃除を行なっています。それは決して特別なことではなく、一般的な雑巾での拭き掃除、草取り、掃き掃除です。しかし、そのおかげか、石の光沢があまり落ちていません。環境にもよりますが、ちょっとした心づかいで、いつまでも美しさを保つことができることも学びました。
「なぜ、建てるのか?」「なぜ、必要なのか?」。
これからお墓を建てる方には、ぜひ、このことをご家族で考えていただきたいと思います。そして、昔からの慣習や習慣にとらわれることなく、自由な思いで建ててほしいのです。とらわれて「ああしてはダメ!」「こうしてはダメ!」となっては、本当につくりたいものができません。
そうなると、お墓に対する気持ちも薄れてしまい、お墓参りにも気持ちが入らなくなってしまいます。ご家族の本当の気持ちを最優先したお墓を建ててください。
そうして建てたお墓にご家族でお参りをして、お子様やお孫さんなどに、故人の思い出を話してあげて下さい。故人を敬い合掌することで、家族の心と心がふれあい、通いあい、一つになることができることでしょう。
ふだんなかなか家族や親戚で、集まる機会がないときでも、お墓参りが一つのきっかけになって頂ければと思います。心が通いあうことの素晴らしさを実感していただき、お墓参りを終えての帰宅時にほほ笑みがあれば、ご先祖様も喜んでいただけるのではないでしょうか。
私は主に、事務と営業の仕事をしています。現場の組み立てが大変な時や、現場の従業員が休んだ時に手伝いに行きます。日頃から現場の組み立ての仕事に携わってないためか、体がなまってしまい、ついて行くことが大変です。だからといって中途半端なことはできません。そのために、日頃から体を鍛えています(ブートキャンプ上級者です)。
私は、ご先祖様のおかげでお墓という仕事に携わっています。その感謝の気持ちを忘れずに、また、亡くなられた故人に対するお客様の想いを100%形に出来るよう、一生懸命努めてまいります。
株式会社 岡田石材工業
代表取締役 岡田 泰幸(七代目)