季節あれこれ
除夜の鐘とはどんな理由で鳴らすの
除夜の鐘とは、大晦日(12月31日)の深夜0時をはさんでつく鐘のことを言います(ちょうど日付けが変わり新しい年になる時に鐘をつきながら迎えます)。除夜とは、除日(じょじつ)の夜のことを言いい、「除」には、古いものを捨てて新しいものに移るという意味があります。除日とは、一年の一番最後の日という意味をあらわし、大晦日(おおみそか)のことをさします。
除夜の鐘をつく理由について
人には百八つの煩悩(ぼんのう)があると言われ、その煩悩を祓うために、108回鐘をつきますます。煩悩とは、人の心を惑わせたり、悩ませ苦しめたりする心のはたらきのことを言い、仏教における考え方からきています。 代表的な煩悩は、欲望・怒り・執着(しゅうちゃく)・猜疑(さいぎ)などがあります。煩悩も分類の仕方によって細かくすると、三毒・百八煩悩・八万四千煩悩と分類されます。
仏教では、修行を積むことにより、これらの煩悩である心の乱れを取り除き、悩みや苦しみや迷いから解放され、悟りを開くことができるのですが、除夜の鐘には厳しい修行を積んでいない我々でも、こうした心の乱れや汚れを祓う力がある!という信仰が現在まで言い伝えられていて、現在も儀式となって続いています。
仏教寺院にある鐘は、梵鐘(ぼんしょう)と呼ばれる仏具の一つです。仏教でももとは、お正月にもお盆と同様に、2回先祖を祀る儀式があったようです。時代が経つにつれて【お正月は】豊作の神様に…『その年の豊作をお祈りする』という神道の信仰が強くなり、お盆だけ昔の風習が続いているようです。お正月に関しては、除夜の鐘をつく、ということだけが残っています。他にも、四苦八苦を取り払う(4×9+8×9=108)をかけた!!ともいう説もあるようです。
鐘を鳴らす作法
鐘を撞く前には鐘に向かって合掌します。108回のうち107回は旧年(12月31日)のうちに撞き、残りの1回を新年(1月1日)に撞きます。ただし、鐘の撞く作法は、ご寺院によって様々です。