お墓の豆知識
三界萬霊塔とは
お寺でよく見る、三界萬霊塔とは、この世のあらゆる生命あるものの霊を宿らせ、供養することが目的に建立され、三界萬霊牌を祀っているということは、我が家の先祖だけでなく、すべての精霊に供養することの大切さを教えるものだそうです。
法界衆生(全世界の生きとし生けるもの。)・有縁無縁(それら全ての命が、たとえ直接的にふれあわなくても、実際は、しっかり繋がっていることを示しています。)などとあるのも同じような意味で「 塔」の文字を「等」と表示することもあるようです。
三界萬霊塔
三界とは私どもが生まれかわり死にかわりするこの世界のことで、欲界、色界、無色界の3種の世界があり、欲界というのは、食欲、性欲、睡眠欲などの欲望の世界で、色界は欲望が無くなった世界、無色界は形のあるものからはなれた純粋な世界を指すようです。萬霊とは、欲界、色界、無色界などのそれらすべてを指します。
三界萬霊塔を建てる位置は、墓地の入口や無縁塚の中央などに置かれることが多いようで、全国各地で普遍的に見られ、そのほとんどは江戸時代以降のもののようです。
三界萬霊塔には他にも、旅先で亡くなられた方や争いが起こらないようにと願いを込めて、村人たちがさまよう無縁の霊をこの石碑に祀るために建立したり、さまよう霊・怨霊を鎮め、末永く平和な世の中であってほしいという願いもこめられて、過去・現在・未来と繋げていきたいという想いからつくられているようです。