お墓の豆知識
お布施とは
お布施とは、六波羅蜜(ろくはらみつ)という修行法のうちの一つで、6つの徳目の総称だそうです。この6項目【布施(ふせ) :<人に施しを与えること>・持戒(じかい):<戒律を順守し、破らないこと>・忍辱(にんにく):<苦しくても耐え忍ぶこと>・精進(しょうじん):<常日頃努力すること>・禅定(ぜんじょう):<心を静めた状態を維持し瞑想(自問自答)すること>・智慧(ちえ):<物事の真実を見極める目をもつこと>】を実践することで、煩悩が消えて悟りの世界に到達できるというのがお釈迦様の教えです。
布施は三施(さんせ)
六波羅蜜の布施は三施(さんせ)という3種類に大別されているそうです。
財施(ざいせ)
私たちがご葬儀やご法要の際に住職に渡している金銭的なお布施にあたります。
法施(ほうせ)
住職が読経・唱題を行う事は、故人の供養を祈り、仏や宗祖の教えを伝え、人々の幸福を祈ることがお寺(住職)の役目といわれています。
無畏施(むいせ)
人々の悩みや苦しみ、不安なことの相談にのり善導してあげる心です。
※上の三つの施しが出来ない場合は、次の七つの施しが説かれているそうです。
無財の七施とは
和顔施(わげんせ):笑顔で接するとにより親しみを感じられます。
愛語施(あいごせ):思いやる心で接すれば、相手にも気持ちが伝わります。
慈眼施(じがんせ):温かい心で接すると相手に安心感が伝わります。
房舎施(ぼうしゃせ):傘を差し伸べたり、雨露をしのぐ場所の提供をする心です。
床座施(しょうざせ):電車やバスなどでお年寄りや小さな子供に席を譲ったりする気配りする心。
捨身施(しゃしんせ):自ら進んで行う気持ちが大切。些細な手助けでも相手に伝わります。
心慮施(しんりょせ):人の支えで救われることがたくさんあります。同感しましょう。
一般的に、お葬式・年忌供養などを行なった際に、寺院へ渡す金品のことを、お布施といっています。多くの方は、お経を上げて頂いた代金としてご住職に支払うと思っているようですが、本来は、『喜捨』をするということです。お布施には、御礼の程度や決まった金額がないのが正しいとされているそうで、売り買いのように高い・安いということとは違い、その人にとって出来る限りのことがお布施の気持ちになります。寺院に訪ねると「応分の…」や「お気持ちで…」というのも、こうしたことからのようです。
現在は、寺院・それに付随する施設などを維持していくために、お布施が果たす役割が重要になっているそうで、ある程度の目安の金額はあるそうです。
人々の苦しみや悲しみに寄り添い、人々と共に考え法を説くことをできるのが僧侶です。その気持ちに返すのが生きている私たちの務めです。寄付は、金品だけとは限らず、お米や野菜・石造物・寺院の建造物などもあたります。