お墓選びの基本
墓石の性質
雨上がりの石の変色はなぜ起こる?
その原因は雨などが降って水分を吸収しているからです。白御影石などに限らず、天然の石は水分をふくむと色が濃くなり変色したように見えてしまいます。
黒御影石は黒いので目立たないですが、他の石種と同様に水を吸い込んでいますが、建てたばかりの艶がある黒系の石は水分を吸収し辛く夏など気温が高い時期には熱で水が蒸発して水跡が残ってしまいますが、キズやヒビではありません。大雨の際に掃除すると落ち易くなります。無理にたわしなどでこすらないで下さい。
解決策は?
水分がなくなると元の色に戻ります。
石が吸った水分は下に落ちていくので当然外柵の胴石(台石)は水分が抜けにくいです。太陽の日のあたりかげんによっても乾く部分が異なってきます。日のあたりやすい正面は乾きやすいですが、裏側など日があたりにくい部分は乾きにくいです。
また、日のあたりにくい日陰にお墓が立っている場所などは乾きも遅いです。湿気の少ない時季や暑い夏場などは乾きやすいです。ちなみに、症状が出にくい石の色は『黒・赤・緑』など濃い色で、反対に症状がでやすい石の色は、『白・ピンク』など色の薄い石種です。水分をふくんでいるから石にヒビが入ったり、穴が空いたり、何かしら影響を受けて壊れやすくなるのでは!!…ということはありません。安心してください。
石によっては特徴も様々で、その特徴の説明がなされていないと後々トラブルになる事があります。例えば、中国産の黒御影石は、風土や気候の影響でサビ分が強いため茶色っぽい色質です。現在では一般的になっておりますが、石材のほとんどが諸外国からの輸入品になっており、色の種類(石種)に問わず光沢をよりよく見せるために油を塗ってきます。
その油が抜けてくると、症状が出てきます。いい・悪いではなく、その石の特長ですので、それが石に及ぼす影響(割れ・カケ・ヒビ)は例外を除いてはありません。
事例:水が抜けない状態が続いた際のトラブル
水を吸いやすい石種(石)では、水分を吸収している状態が続くと、起こりうるトラブルをご紹介します。そういうリスクを減らすためにも下記の事例にご注意下さい。
石と石の重なりあって出来る隙間(繋ぎ目)のメジをしっかりと塞いでおかないと、場所や環境、石質にもよりますが、比較的水を吸いやすい石(吸収しやすい石)の繋ぎ目のメジが切れて、水が中に入り、そのまま中側に溜まり、水分が抜けない状態が続くことでこの様なトラブルに繋がるおそれがあります。
年月が経過するにつれ、風化の原因になりかねません。お手入れやメンテナンスも大切です。上の写真の症状が見受けられるようでしたら、石材専門店に一度ご相談下さい。このような状態が続いた結果、下記のようなトラブルに繋がるおそれがあります。
石の表面がザラザラとしています。なり始めに触るとポロポロと石のカスが手につきます。
必ずこうなるとは限りませんし、家庭のご事情もあると思いますが、選ぶポイントとしては、水を吸収しやすい石ではなく、できる限り固くてあまり特徴のないトラブルが少ない石種を選ぶ事が大切です。