お墓の豆知識
灯籠・精霊流しとは
一般的に、お盆の行事で船にしつらえた灯籠を川や海へ流し、この灯籠と一緒に盆に迎えた先祖の霊を送り出す『送り火』としておりますが、「お盆」の時期が地方によって異なっていて、特別な追悼行事として行う場合もあります。
灯籠流し(精霊流し)を行わない地域も多く、日本全国で一斉に行われるわけではないようです。灯籠流しはとくに川施餓鬼(かわせがき)と関係深く水難など横死者の霊に対して、行われる事が多かったとも言われて、精霊を灯籠に乗せて川を下り、海のかなた【あの世】へかえっていくという信仰が基となっているようです。
灯籠・精霊流し
近年は海や川の汚染が問題になり、灯籠をそのまま海に流すことは昔と比べると少ないようです。自治体が放流を禁じることもあり、川の下流の河川敷や海岸などで灯籠の回収を行なったりしますが、費用の問題から回収せずにそのまま流してしまう事も少なくないようで、熊本ではボランティアグループの方々が精霊流し(しょうりょうながし)を行っているようです。
精霊流しとは…戻ってきた祖先の霊(れい)たちが、安(やす)らかに帰れるようにと、故人の家族らが、精霊船(しょうろうぶね)と呼ばれる船に故人の霊やお供え物(盆の間にお供えした野菜や果物など)を乗せて送ります。精霊(しょうりょう)とは、亡くなった人々の霊(れい)のことを言うそうで、精霊流しは、灯籠流しと同じ意味合いを持ちます。
長崎県の精霊流しは、他の地域と異なる派手な行事で、さだまさしさんによる音楽・小説・映画・TVドラマなどでも有名だそうです。一般的になったのは、戦後からで、長崎県の一部地域を除く各地で、毎年8月15日にお盆の伝統行事として夕刻から、爆竹の破裂音・鉦の音・掛け声が交錯する喧騒の中、行われ、見物客も集まりますが、あくまでも故人を追悼する仏教の行事のようです。