お墓の豆知識
幼児霊供養塔は正面に戒名を刻まない
子供の霊魂は供養塔にまとめます。そして、正面に戒名を刻まないのが原則です。理由は、子供の霊力をつけすぎないためです。なので、供養石塔の左右に戒名を刻むのを原則とします。正面には何を刻めばいいのか?宗旨ごとに異なります。神童であれば、「若子少女各霊」が一般的です。仏教の場合は、大半が浮き彫り地蔵尊です。
地蔵菩薩は、日本では子供の守り仏として信仰が芽生えたものですが、幼児霊をお祀りするので、できるだけ可愛い幼児顔がいいかと思います。このお地蔵様のデザインにも様々な変転があります。かつては錫杖(しゃくじょう)を持つのが一般的でしたが、これといって、決まりはありません。1基、1基表情も違います。自分で気に入ったものを建てるといいでしょう。
ただし、傘地蔵と呼ばれる背面に自然石の表面を用いたものなどは、自然石塔の部類になると言われているので、避けてください。墓石の大きさも制限があります。墓地の中で一番大きい(高い)のは供養塔で、幼児霊供養塔は一番低くしてください。家の中、社会の中での子供の地位を考えれば、こうした考えが自然であるようです。
裏面に建立者名を刻入する事は、供養塔の場合と同じです。注意していただきたいのは、憶えのある水子の数だけ、また子供が亡くなるごとに地蔵尊を建てる方もいるようですが、孩児霊(がいじ)、胎児霊、嬰児霊(えいじ)もすべて、この供養塔に収めてください。ただし、水子霊の場合は戒名がありませんから、「水子諸霊」とだけ刻んでおきます。